健康・医療

毎年受けよう、特定健康診査

公開:2019年8月7日

病気の早期発見・早期治療のために大切なのが、健康診断です。
糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病は、初期にはほとんど自覚症状がありません。しかし、こうした状態を放っておくと動脈硬化が進行し、脳卒中や心臓病といった命にかかわる病気を引き起こす恐れがあります。
特に40歳を過ぎると、生活習慣病のリスクが高くなります。取り立てて気になる症状がなくても1年に1度は健康診断を受け、目には見えない体内の状況をチェックしましょう。

◆「特定健康診査」とは?
生活習慣病の予防を目的とした健康診査です。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診のため、通称メタボ健診とも言われます。対象は40~74歳の人で、お勤めの人とその家族は、勤務先の事業者健診(職場の健診)で受診します。自営業者などの国民健康保険の加入者は1年に1回、市区町村が実施します。費用は無料、または少ない自己負担で受けることができます。検査の内容は、おおむね以下のようになります。

「特定健康診査」の主な検査項目
基本的な項目 質問票(服薬歴、喫煙歴等)
身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
血圧測定
理学的検査(身体診察)
検尿(尿糖、尿蛋白)
血液検査
脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1
肝機能検査(GOT、GTP、γ-GTP)
詳細な項目
※一定基準下で、
医師が必要と認めた場合
心電図
眼底検査
貧血検査(赤血球、血色素量、ヘマトクリット値)

◆「特定保健指導」とは?
特定健康診査の結果により、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)やその予備群と判定された人には、「特定保健指導」が行われます。これは医師や保健師、管理栄養士などの専門家が、食事や運動といった生活習慣の改善をサポートするものです。(高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療中の人は対象になりません)

特定保健指導には、生活習慣病の発症リスクに応じて下の2種類があります。
・動機づけ支援
初回面接(個別またはグループ面接)で、対象者が生活を振り返り、改善のための行動目標を立て、実行していく支援を行います。6か月後に面接、電話、メール等で生活習慣の改善状況を確認します。

・積極的支援

動機づけ支援にプラスして、定期的に面接、電話、メール等で連絡をし、生活習慣の改善を続けられるように支援します(3か月以上)。さらに6か月後にも生活習慣の改善状況を評価します。

◆毎年受けて、病気を遠ざけよう
特定健康診査は、毎年受けることが大切です。検査の各項目が基準値内であっても、数値が大きく変動したときは何かの異常という可能性もあります。また年々血圧が高くなっているなど、経年の変化を見ることは、医師の治療方針等の判断にも役立ちます。年に1回の特定健康診査受診を継続し、小さな変化に早く気づいて生活を見直していくことが、生活習慣病を遠ざけることにつながります。

(出典・参考)
厚生労働省 特定健診・特定保健指導について
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