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【渋谷駅】日本にミニシアター旋風を起こした伝説の映画館 #魅惑のミニシアター Vol.4

シネコンや画面越しでは味わえない「ミニシアター/名画座」と呼ばれる小中規模の映画館の魅力にハマった映画好きのe-navitaスタッフのKが、実際に訪問した中からおすすめの「ミニシアター/名画座」をご紹介するこの連載。
今回ご紹介する映画愛に溢れる歴史的「ミニシアター/名画座」はこちら!

『ユーロスペース』
渋谷の映画文化を支える伝説のミニシアター

「ユーロスペース」

「ユーロスペース」は渋谷・円山町にあるミニシアター。82年に渋谷に開館し、2006年に現在の渋谷円山町のビル「KINOHAUS」への移転を経て、30年以上にわたり渋谷から世界のアート系映画を配給・製作しています。かつて80年代後半から90年代にかけて渋谷を中心に起きたミニシアター・ブームの先陣を切るなど、ミニシアターを語る上では外せない存在です。
今でも老若男女問わず多くの人々に愛されているミニシアター『ユーロスペース』の魅力をご紹介します。

  1. 【「ユーロスペース」さんのおすすめポイント】
  2. ①:渋谷道玄坂エリアの映画の家
  3. ②:学生に優しい料金設定とお得な会員サービス
  4. ③:「ユーロスペース」さんのおすすめポイント
  5. ③-1:インディー/マイナー/メジャー作品から「今見るべき映画」を上映
  6. ③-2:距離感が予想外の話を引き出すトークイベント
  7. ③-3:ユーロスペースが紹介した作品
  8. ④:複合施設:『KINOHAUS』ビル
  9. ⑤:まとめ
  10. ⑥:スポット情報
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  4. おすすめの「ミニシアター/名画座」まとめ! #魅惑のミニシアター

渋谷道玄坂エリアの映画の家

「ユーロスペース」
入口の巨大ポスター

「ユーロスペース」は渋谷のラブホテルやライブスペースが密集するエリア円山町の一角にあるミニシアター(最寄りは井の頭線 神泉駅)。様々な映画関連施設や文化施設が入居するビル「KINOHAUS("映画の家"の意)」の3Fに入っています。 コンクリート打ちっぱなしの外観の「KINOHAUS」の入口1F&2F部分には思わず目を引く巨大な映画の看板があります。私がミニシアターにハマるきっかけになった「ユーロスペース」に気付いたのも、この巨大看板に気付いたからでした。当時シネコンでは上映していなかった『ミツバチのささやき』と『エル・スール』のビジュアルが大きく貼られた様子に「この映画館はただものじゃない」と直感し、引き寄せられるように館内に向かったのを今も覚えています。

「ユーロスペース」
縁の深い作品のポスターがお出迎え

「ユーロスペース」の細長いロビーの壁には、「ユーロスペース」の歴代配給作品のポスターが端から端まで陳列されています。 様々な作品を積極的に上映・配給し渋谷の映画カルチャーを率先していたことを物語っています。 上映前後の時間つぶしにもピッタリです。

学生に優しい料金設定とお得な会員サービス

「ユーロスペース」

「ユーロスペース」の一般鑑賞料金は、以下の通り。学生料金がとても安いのが良いですね。

  1. ・一般:新作 1800円/旧作 1400~1500円
  2. ・高校生:800円
  3. ・中学生以下:500円

一般の方には「ユーロスペース会員システム」という会員制度がおすすめ。年会費1000円を払うと新作の当日券が1800円→1200円(※作品により異なる)になるだけでなく、同ビルの他の店舗や全国ミニシアターでも会員割引が受けられたりとお得な割引システムで、もちろん私も会員です。
映画の日などのお得なサービスデーやその他詳細は公式サイトをチェックしてみてください。

「ユーロスペース」さんのおすすめポイント

「ユーロスペース」の特徴であるラインナップのトークショーなど、それぞれの魅力をまとめました。

「ユーロスペース」

・インディー/マイナー/メジャー作品から「今見るべき映画」を上映

ミニシアターの上映プログラムに知らない作品が連なっている時、私はわくわくします。
「ユーロスペース」は開館から30年以上経った今、本来の洋邦のアートやインディペンデント系のマイナーな作品を中心に、今では幅広いジャンルの映画を上映しています。あまりにもカバー範囲が広いので特徴を挙げるのが難しいのですが、あえて挙げるとしたら「今見るべき映画」かもしれません。
そう思うのは、過去に上映妨害があったいわくつきの映画『東京裁判』(戦後の東京で行われた戦争犯罪人裁判のドキュメンタリー/1983年)のトークイベントのときに支配人が語っていた「この作品は今だからこそ上映すべき」という言葉が印象に残っているからです。
また、「ユーロスペース」はインディーズ映画の聖地としても有名です。その理由は、自主製作映画の持ち込みが多く、その作品を上映することが多いからです。
未知の才能に同じように心躍る方におすすめのミニシアターです。

「ユーロスペース」

・距離感が予想外の話を引き出すトークイベント

どのミニシアターもそうですが、やはりトークイベントはミニシアターの醍醐味の1つ。でもトークショー(というか舞台挨拶ですね)ならシネコンでもやってるのでは?とお思いだと思いますが、ミニシアターとシネコンのトークシネコンショーの違いは、その「距離感」と「お客さんの濃さ」の違いにあります。濃いお客さんがいると何が違うのか?それは客席の濃い客からのふとした一言がきっかけで良い話を聞き出せる確率が上がるからです。まさに「ここで気か聞けない」話が聞けるトークイベントとなっています。
先述した『東京裁判』のときには、ゲストに映画の監督補・脚本家とエグゼクティブプロデューサーが登壇。製作秘話や1983年の作品を今上映する意義、戦前と今の日本の相似性など質疑応答含め興味深い話を聞くことが出来、より深く映画を体験することができました。

・ユーロスペースが紹介した作品群

先述の通り「ユーロスペース」では、世界中の様々な映画の中から素晴らしい才能を積極的に上映・配給し、作品や監督の知名度と共に有名になっていきました。その代表例を紹介します。

・『ボーイ・ミーツ・ガール』『ポンヌフの恋人』(監督:レオス・カラックス)
レオス・カラックスは、ヌーヴェル・ヴァーグ以後のフランス映画界に「新しい波」を起こしたことでカルト的人気を誇るフランスの映画監督・脚本家。また映画批評家としての経験や作品の難解さや斬新さから「ジャン・リュック・ゴダールの再来」との呼び名も。代表作は『ボーイ・ミーツ・ガール』『汚れた血』『ポンヌフの恋人』の初期3部作など。約40年のキャリアにおいて全6作と非常に寡作な作家ではあるが、そのうちユーロ・スペースでは4作品の配給を手掛けています。

・『友だちのうちはどこ?』『そして人生はつづく』『オリーブの林をぬけて』(監督:アッバス・キアロスタミ)
アッバス・キアロスタミは、70年代から活躍するイランの映画監督、脚本家、写真家。その才能はジャン・リュック・ゴダールをして「映画はグリフィスに始まり、キアロスタミで終わりを告げる。」と言わしめたほど。初期に素人の少年を起用し自然な演技を引き出した作品で注目を浴びる。小津安二郎の影響を公言し後期には追悼作品も制作。日本人の役者を起用し日本で撮影した『ライク・サムワン・イン・ラブ』が存命中に公開された最後の作品。代表作は間違えて持ち帰ってしまった友人のノートを返しに行く少年の道中を描いた『友だちのうちはどこ?』等。ユーロ・スペースでは多くの作品の配給を手掛けています。

・『ゆきゆきて、神軍』(監督:原一男)
日本国内外で多くの賞を受賞した日本一有名なドキュメンタリー作品。マイケル・ムーアが「最高のドキュメンタリーの傑作」として名前を挙げた事でも分かるように世界的にも有名です。87年当時、作品の内容的に襲撃が予想されるなか単館上映に踏みきり、結果3ヶ月もの間連日立見が出るほどの大ヒット。ミニシアター「ユーロスペース」の名を有名にした作品でもあります。

複合施設:『KINOHAUS』ビル

「ユーロスペース」
入口の巨大ポスター

ドイツ語で“映画の家”を意味する言葉『KINOHAUS』がつけられたこのビルは、映画関連施設で埋められた映画に特化したビルです。

  1. 5F:「一般社団法人コミュニティシネマセンター」(映画環境振興団体)
  2. 4F:「シネマヴェーラ渋谷」(名画座)
  3. 3F:「ユーロスペース」(ミニシアター)
  4. 2F:「ユーロライブ」(多目的ライブホール)
  5. 1F:「LOFT9 Shibuya」(本屋カフェ兼トークライブスペース)
  6. B1F & B2F:「映画美学校」(学校)

「映画美学校」の代表理事の松本正道さんが「映画を観ること、観客を育てることのできる施設をつくりたかった」と語るように、この施設には映画やエンターテインメントに関するユーザー側とメイカー側の双方に関する施設が入居しています。ユーロスペースとの出会いをきっかけにミニシアターに夢中なり今この記事を僕が書いていることからも狙いは成功したといえますね。旧作邦画をメインに上映する名画座「シネマヴェーラ」も好きなミニシアターなので追って紹介記事を書ければと思います。

『【渋谷駅】日本にミニシアター旋風を起こした伝説の映画館 #魅惑のミニシアター Vol.4』まとめ

以上、【渋谷駅】日本にミニシアター旋風を起こした伝説の映画館 #魅惑のミニシアター Vol.4』でした。
渋谷から起きたミニシアターブームの先駆けである「ユーロスペース」が上映する作品であれば、映画レビューサイトに載っていない映画でも宝探しのような気分で観に行くことが出来ますね。「ユーロスペース」に興味を持たれた方はぜひ一度足を運んでみてください。(ちなみに、井の頭線に乗る方は渋谷駅より神泉駅で降りた方が近いです)
訪問された事がある方やこの記事を読んで訪問してみた方からのSNSでの感想をお待ちしております。

スポット情報詳細

アクセス
渋谷駅 徒歩6分
住所
東京都渋谷区円山町1-5
電話番号
03-3461-0211
営業時間
上映作品により異なる
定休日
なし
HP
http://www.eurospace.co.jp/
twitter
@euro_space
地図・詳細
https://www.navita.co.jp/s/21024051/
関連サイト①
ユーロライブ http://eurolive.jp/
関連サイト②
シネマヴェーラ渋谷 http://www.cinemavera.com/
関連サイト③
LOFT9 Shibuya http://www.loft-prj.co.jp/loft9/
関連サイト④
映画美学校 http://eigabigakkou.com/
関連サイト⑤
一般社団法人コミュニティシネマセンター http://jc3.jp/wp/

※掲載画像は、公式ホームページや公式Twitter及びInstagram、関連サイトから引用させていただきました。

※掲載内容は記事作成時の情報になります。ご利用の際は事前に最新情報や詳細を各店舗へお問い合わせいただくかホームページ等の公式情報をご確認ください。

  1. 【「ユーロスペース」さんのおすすめポイント】
  2. ①:渋谷道玄坂エリアの映画の家
  3. ②:学生に優しい料金設定とお得な会員サービス
  4. ③:「ユーロスペース」さんのおすすめポイント
  5. ③-1:インディー/マイナー/メジャー作品から「今見るべき映画」を上映
  6. ③-2:距離感が予想外の話を引き出すトークイベント
  7. ③-3:ユーロスペースが紹介した作品
  8. ④:複合施設:『KINOHAUS』ビル
  9. ⑤:まとめ
  10. ⑥:スポット情報
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