当院は豊かな自然に囲まれた稲城の小高い丘に立っており、晴れた日には窓から都心を一望することができます。昭和50年に112床の精神科病院としてスタートし、昭和63年には内科病棟を併設しました。平成11年には現在の精神科339床、内科71床に至り、平成17年に新病棟が完成しています。

　私たちはこれまで、地域のニーズに応え、患者さんに優しい医療を提供すべく、職員が一丸となって診療活動を行ってきました。とくに的確な診断に基づき、各々の患者さんの個別性を重視して治療に当たるように心掛けています。医師による薬物療法、精神療法はもとより、作業療法、生活技能訓練（SST）、心理療法など、患者さんの病状に応じて適切な治療法を組み合わせ、それらがお互いに効果を高めるように工夫しています。また精神科の治療は入院だけで終わるものではなく、地域での生活にどのように戻っていくかをともに考えなければいけません。当院はかねてより、精神科患者さんの社会復帰に力を入れてきました。退院した後も訪問看護ステーション、作業所
などと連携しながら、必要に応じて積極的に生活の場に赴き、患者さんを支えていきます。

　近年日本は超高齢化社会への道を辿っており、お年寄りの患者さんへの対応も急を要する課題です。当院では早くから認知症の治療に取り組んでおり、身体合併症をもつ患者さんも積極的に受け入れてきました。内科療養病棟を併設していることも特長のひとつであり、急性期での治療を終えられてもまだ退院が困難な患者さんをお引き受けしています。高齢化してきた精神科の患者さんの身体合併症に対しても、精神科と内科が緊密に連携してきめ細かく対応しています。また老人保健施設、有料老人ホームなどの関連施設とも連携し、入院治療が終わった後の対応についてもご相談に応じています。

　患者さんがなによりも安心して治療に臨めるように、私たちは入院から退院後の地域でのケアにいたるまで一貫して途切れなく患者さんを支えます。病院から地域へ、そして高齢化という医療を取り巻く社会の要請に対応するため職員全員がチームワークを組んで努力していく所存です。職員ともども何卒よろしくお願い申し上げます。
院長　永野 満

●精神科
　当院の精神科では、総勢8名の常勤医師が診療に取り組んでいます。主治医による薬物療法および精神療法を軸にして、さらに患者さんの病状に応じて以下に示すような種々の治療法を、組み合わせて行っています。対象となる疾患は、統合失調症、気分障害（躁うつ病）、認知症はもちろん、神経症、パーソナリティ障害と多岐にわたっています。
＜当院の精神科で行っている治療法＞
　○作業療法(OT)　○生活技能訓練(Social Skill Training(SST))
　○動作法　○コラージュ療法

●内科
主に内科療養型病床(7病棟、8病棟)と精神科身体合併病棟(6病棟)にて内科治療を行っています。
＜診療内容＞
　○認知症や精神疾患を伴うご高齢な患者さんの受け入れ
　○末期癌に対する緩和ケアを意識した管理

≪特色≫
　■精神科障害者や健康障害の高齢者の心身一体の医療の提供に努力
　■精神・内科合併症患者の積極的な受け入れ
　■チーム医療のもと長期療養者の社会復帰推進
　■東京都精神化二次救急・後方入院の受け入れ
　■地域医療の中、後方病院としての役割
　■内科・精神科の連携した医療
　■関連施設と連携した高齢者の終末期マネジメント