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静岡県立美術館

ロダンと近代の彫刻
文化・ミュージアム
  • 美術館
エリア
静岡県静岡市駿河区
最寄り駅
JR東海道本線 草薙駅 から車で5分
静鉄静岡清水線 県立美術館前駅 から徒歩10分
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館長あいさつ
 半年に及んだ工事休館を経て、美術館が活動を開始しました。単なる再開というよりは、再出発という意味合いが強いかもしれません。3年目に入ったコロナ禍を経験し、美術館はそのあり方に見直しを求められているからです。とりわけ一昨年は、臨時休館や他県からの来館をお断りするなど、公開施設である美術館にとって、あってはならない事態が出現しました。美術館は美術作品を展示公開し、みなさまはそれを見るために足を運んでくださるという関係を前提にして、活動を展開してきました。この軌道を修正せざるを得ません。美術館に出かけなくても体験できる美術館を新たに展開する、これが「再出発」の意味です。

 静岡県立美術館は県議会100周年を記念して1986年に開館しました。それから早くも36年が過ぎたといえるし、まだ36年しか経っていないともいえます。日本の公立美術館としては平均的な年齢だと思いますが、世界の美術館と比べれば、ようやく自分の足で歩き始めたころかもしれません。2026年に迎える開館40周年に向けて5カ年計画を策定し、公表しました。

 美術館と聞けば、まずはその建物の姿を思い浮かべますね。しかし、それはいつの日か朽ち果てる。いや、そうなる前に更新されるでしょう。美術館とは、むしろその建物の内部に集積した作品群、すなわちコレクションを指し、それが美術館なのだと思います。開館以来、当館は2,700点を越える美術作品を収集してきました。「東西の山水・風景画」、「富士山の絵画」、「ロダンと近代彫刻」、「現代の美術」、「静岡県ゆかりの作家、作品」をコレクションの柱にしています。これらが美術館の血となり肉となってきました。一般にはこれを「特色」と呼ぶわけですが、むしろ「体質」と呼びたくなるほどに、コレクションは美術館の根幹です。

 「東西の山水・風景画」の収集範囲を17世紀初頭にまで広げたことで、前近代の美術を振り返ることのできる当館の「体質」は際立っています。近現代美術を中心にコレクションを築いてきた多くの公立美術館とは一味違う。わたしたちとは別の時代、別の世界を生きたひとびとが、それぞれの美の基準にしたがって作り出したものを通して、それらを作り出した人間の面白さ、楽しさ、恐ろしさ、底知れなさにふれる。過去を知り、ひるがえって、わたしたちが生きる現代を知る。これが美術館の醍醐味のひとつではないかと私は考えます。

 当館は有度山と呼ばれるなだらかな丘陵の中腹にあり、桜、欅、金木犀などの豊かな樹々に囲まれています。美術館につづく坂道からは、いかにも静岡らしい穏やかな山々の連なりが見え、富士山を拝むこともできます。そんな風景を眺めながら、ご覧になったばかりの展覧会を振り返るのも、当館を訪れる楽しみのひとつではないでしょうか。丘を下る時には、風景が違って見える、そんな展覧会をみなさまに提供したいと思います。

館長 木下直之
施設利用案内
<開館時間>
午前10時~午後5時30分(展示室への入室は午後5時まで)

<夜間開館>
静岡県立美術館では、年数回夜間開館を実施いたします。普段時間のご都合がつかない方も、この機会に是非美術館においでください。
※県民ギャラリーの夜間開館はありませんのでご注意ください。
なお、車椅子利用者については、雨の日に限りひさしのあるロダン館からの入館もできますので、ご利用の方は、来館前に電話にてご連絡ください。

<休館日>
毎週月曜日(ただし月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
年末年始、その他展示替等のための休館日(詳しくは公式HPの美術館休館日をご覧ください)

<観覧料>
●収蔵品展・ロダン館
 一般:300円(団体200円) 大学生以下・70歳以上:無料
●企画展
 企画展ごとに異なります。
 
*団体料金は20名以上
*企画展ご入場の方は、収蔵品展・ロダン館も併せてご覧いただけます。
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者福祉手帳の交付を受けている方と
 その介添者1名は、企画展・収蔵品展ともに無料でご覧いただけます。

 観覧料の割引が適用される方は、ご来館の際に年齢の分かる証明書(学生証、健康保険証など)や手帳をご持参の上、券売所でご提示ください。
作品収集と方針と特色
◆17世紀以降の東西の山水・風景画◆
遠州から駿河湾さらに伊豆半島にいたる長い海岸線、自然の良港、数々の川や山が織り成す起伏にとんだ地勢をもち、我が国を代表する富士山や浜名湖をはじめ数多くの景勝地にめぐまれた静岡県。
この特性をもとに設定された収集テーマです。時代については、西洋の風景画の成立が17世紀とされることから、日本美術もそれに合わせ設定されています。
西洋絵画ではロイスダール、ターナー、モネ、ゴーギャン、シニャック、日本画では狩野探幽、池大雅、司馬江漢、谷文晁、歌川広重、横山大観、日本洋画では五姓田義松、佐伯祐三、小絲源太郎、岡鹿之助など、それぞれの時代を担った画家たちが描いた山水、風景画の代表作が収蔵されています。
また、伊藤若冲派《樹花鳥獣図屏風》のような動物たちのいる風景を描いたユニークな作品も収蔵し、多くの人々の人気をあつめています。
美術作品には自然観の変遷が如実にしめされています。その歴史を振り返ることは、自然と人間の係わり、環境問題といった今日的な問題を考えることにもつながってくるでしょう。
そうした活きたコレクション作りに今後もつとめてまいります。

◆県ゆかりの作家、作品◆
出身あるいは長期滞在など静岡県にゆかりが深い優れた作家の作品、静岡県ゆかりの作品を収集しています。
日本画家の中村岳陵(下田出身)、秋野不矩(天竜出身)、洋画家の川村清雄(幕臣として静岡移住)、北川民次(金谷出身)、和田英作(清水滞在)、曽宮一念(富士宮滞在)、皮革工芸の大久保婦久子(下田出身)などの代表作、重要作品群が収蔵されています。
また、伊豆湯ヶ島にルーツがあり江戸時代には天領・駿府との関わりの深かった狩野派に注目、室町から明治初期までの狩野派の優品30余点が収蔵されています。
さらに江戸後期の遠州地方では渡辺崋山の門人たちが活躍したことから、福田半香、平井顕斎ら南画家の代表作群も収蔵されています。
なお、重要文化財の正倉院文書および後嵯峨上皇和歌巻、藤原定家の明月記など古代・中世の書、本居宣長、賀茂真淵など江戸時代の国学者の書など347件によって構成される小杉文庫は、森町の藤江家に伝来し同家から譲り受けた当館最初期の収集品です。

◆現代の美術◆
今日に息づく美術館として、美術の現況をしめすコレクションの形成にも努めています。
海外作家では、モーリス・ルイス、ジョアン・ミッチェル、アンゼルム・キーファー、イサム・ノグチ、ドナルド・ジャッド、国内作家では、山口長男、斎藤義重、草間彌生、桑山忠明、高松次郎など、現代の優れた作家の作品が収蔵されています。

◆ロダンと近代の彫刻◆
当館では、1988年にエントランスホール設置作品としてロダン《カレーの市民》6体を購入、また1991年には《考える人》の寄贈を受け、それらをもとにした展示や普及活動に力を注いだことから、パリの国立ロダン美術館との交流が始まりました。
その流れの中で、1994年、ロダンを柱としたロダン館を新設。
当館コレクションに比較的少なかった人間像の表現、それをすぐれた彫刻の数々によってみることができるようになりました。
ロダン館では《地獄の門》・《考える人》はじめロダンの彫刻32点と、ロダンの師カリエ=ベルーズやカルポーなどロダン以前の彫刻家の作品6点を常設、ロダン館へのアプローチ、ブリッジギャラリーには、マイヨール、ブールデル、ブランクーシなどロダン以降の彫刻家の作品を展示公開。ロダンを中心に近代彫刻史の展開を概観できるコレクションです。

◆富士山の絵画◆
静岡県の風景といえば、やはり富士山がその筆頭に挙げられるでしょう。
我が国の最高峰、富士山は古来より信仰の対象とされ、はやくも平安時代には絵画の作例が見出せます。
長い歴史を持つ富士山の絵画は、富士信仰の中で生まれた《富士参詣曼荼羅図》や『伊勢物語』などの物語の絵画化をはじめ、実に多彩なバリエーションをもちます。
日本画では、式部輝忠、狩野探幽、谷文晁、歌川広重、横山大観、東山魁夷などによる個性豊かな富士山の作品を収蔵していますし、日本洋画でも、和田英作、五姓田義松らによる絵画作品があります。当館から富士山を見ることはできませんが、常時必ず一点は富士山の作品を展示するようにしていますので、是非探してみてください。

静岡県立美術館の基本情報

スポット名 静岡県立美術館
TEL 054-263-5755
住所 〒422-8002
静岡県静岡市駿河区谷田53-2
営業日
開館時間:
10:00~17:30(展示室への入室は17:00まで)
休館日:
月曜日(ただし月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
Facebook https://www.facebook.com/shizuokakenbi/
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCAVIEdJpbyu-Ab62JUakGqg
駐車場 あり
大型車・身障者用駐車場あり
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